今日午後4時から二時間余り、赤坂プリンスホテルで、えんぴつ一本 大森実さんと語る会が開かれた。大森さんは今年3月25日、88才で亡くなられた。
偲ぶ会とか送る会ではなくて、あえて語る会としたところが幹事の気持ちだ。私には奥様のご指名で司会の大役が回ってきた。
大森さんは毎日新聞、それも大阪社会部、外信部の大先輩だ。私は大森外信部長に憧れて朝日新聞ではなく毎日新聞を受験した。大森外信部長率いる毎日新聞のベトナム戦争報道は当時圧倒的な輝きを放っていた。しかし、私が入社した翌年の昭和41年、ベトナム報道にクレームをつけたライシャワ−アメリカ駐日大使の圧力の下大森さんは毎日新聞を去った。
当時の毎日新聞は大切な宝を手放した訳だ。
今日の会で大森さんの奥様が最後に挨拶されたが、この話が本日一番のいい話だった。大森さんのジャーナリストとしての原点は権力のいかがわしさと既成事実への懐疑感、現場主義で得られる別の視点だった、と奥様は話された。
私の生き方そのものだ。
改めて自分の人生を見つめたひとときだった。