2010年8月8日日曜日

美しき姫君

今読み終わった本を紹介しておきたい。ごく最近あのレオナルド・ダ・ヴィンチの真作と判った「美しき姫君」とタイトルのついた一枚の絵にまつわる話を書き綴った本だ。
写真で見るように少女の横顔を描いたものだが、一目みて描かれた少女そのものにも、また絵そのものにもえもいわれぬ気品を感じる。
本の表紙の折り返しにつけられた説明がこの本のすべてを物語っていると思うので、そのまま引用させて頂く。これを読むとこの発見がいかに世紀の大事件だったかということがわかる。以下引用

「1998年1月のNYクリスティーズで、たった1万9千ドルで落札された無名の作品は、実はレオナルド・ダ・ヴィンチ自身の手による真作だった。
ダ・ヴィンチ研究の世界的権威と最新のデジタル画像解析技術による作品の精査は、画面上に遺された『指紋』の照合をふくめ、この『世紀の大発見』が真実だと結論づけた。このニュースは2009年に世界を駆けめぐった。
本書はその検証の当事者たちが経緯のすべてを書き下ろしたものだ。さながらミステリ小説のように、作品に秘められた謎があらゆる角度から読み解かれ、その出自がしだいに明らかにされていく。美術史に残る貴重な1冊である。」

あの「モナ・リザ」にも匹敵する魅力をたたえた、15世紀末イタリア上流階級の姫君の横顔だ。何度見ても惹き付けられる。
一読をお薦めしたい。
出版社は草思社だ。