2010年10月2日土曜日

検察の犯罪

たった今、魚住 昭氏の著作『冤罪法廷〜特捜検察の落日』(講談社)を読み終わったところだ。一気に読んだ。
 9月2日発行の本なので、大阪地検特捜部を舞台に繰り広げられることになる、証拠改ざん事件をめぐって特捜部長、副部長、主任検事の三人が逮捕される事実までは含まれていない。
しかし、この本には裁判のやり取りが詳細に記述され、特に裁判官三人が最後に証人として出廷した検事を厳しく詰問するくだりは興味深く読んでしまった。
 それと新聞やテレビは知らんぷりをしているが、魚住氏は大阪特捜部のこの事件を捏造する手口と東京地検特捜部の西松事件と陸山会事件で小沢一郎を狙い打ちにした手口は全く同じだと指摘している。ここはこれから東京でもメディアが直面することだと思う。興味深い指摘だ。
 最後に魚住氏は20年ほど前のこととして共同通信記者のころのことを語っている。当時は魚住氏も「特捜の正義」の心酔者だった、という。そしてこう書いている。
「私の特捜観を最終的に決定づけたのは、すでに述べた、大阪高検公安部長の三井環が大阪地検特捜部の手で口封じ逮捕された事件(02年4月)だった。検察は組織を守るためならどんな非道なことでもやってのける。それを目の当たりにして私は恐怖に慄いた」
その三井さんが逮捕されたのは検察の裏金問題で私がインタビューする日だった、というのも何か因縁を感じる。